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2007-03-05

+アルファ:アンリ・トロワイヤ(Henri Troyat)

アンリ・トロワイヤ(Henri Troyat)さんがなくなった。

1911年生まれ。モスクワ生まれのロシア人だが、1917年のロシア革命で、家族とともにフランスへ移住。作品発表の際に、レフ・タラソフから強制的にアンリ・トロワイヤに。ロシア文学好きならば、絶対に、彼の著書は読んでいるはずだ。そう思う。

ロシア作家のシリーズ、「プーシキン伝」、「ゴーゴリ伝」、「ドストエフスキー伝」、「チェーホフ伝」である。それらとともに、歴代の皇帝シリーズ、「イヴァン雷帝」、「大帝ピョートル」、「女帝エカテリーナ」、「アレクサンドル一世」など。評伝群の方が有名だと思うが、歴とした小説家。1938年のゴンクール賞受賞作品「蜘蛛」(サルトルの「嘔吐」も候補)で脚光を浴びる。

文体のやわらかさに引き込まれ、どれも読みやすく、短時間で読破してしまう。もちろん、日本語訳でです。奥深さには欠けるかも知れないが、ロシア文学、そしてその歴史を垣間見るには、うってつけの作品群であることは、確か。それだけでも、すごい。読ませる力には。

今、どれぐらいの人が、ロシア文学やロシアの歴史に関心をもっているのだろうか。ロシア音楽には、大いなる関心があるようだが、こと文学となると、どうだろう。

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